敷地は都市基盤が未整備で、ひとつの敷地規模が狭小かつ不整形な住宅が密集する市街地にあり、前面道路は最大幅員3.5mと狭隘の上、屈曲した旗竿状で唯一の敷地へのアプローチは5m間口の接道部分だけという状況でした。さらには、高圧電線が敷地上空を横断しており、その厳しい敷地条件の中で40床の施設規模を整備するにあたり、通風や採光といった生活をしていく上で根本的に要求される「快適性の確保」が最も重要な課題でした。結果的に不整形な敷地の建ぺい率の上限となる平面ボリュームを2階建てとすることで、課題の解決と敷地の条件に負けない意匠性の確保を図りました。