豪華な老人ホームが造られている中、今回の計画は建築コストを極力抑え、入居者の負担をいかに軽減出来るかをコンセプトに老人ホームを計画しました。基本計画の段階から面積の徹底的な削減をおこない、ただし入居者が87名と比較的多いため、機能を集約し、動線は短く、生活スペースにはゆとりを設けるなど平面プランには試行錯誤を繰り返しました。また外壁には耐火性能を持った窯業系サイディングを採用して、暖かみのある建物としました。内装は一般的な材料を使いながらも色彩による変化をつけることにより、施設ではなく住まい感を得られることに特化させ、他の施設との差別化を図りました。高齢化社会が進むなか、どなたでも気軽に低価格で利用出来るこのような施設の需要は今後ますます増えるでしょう。