群馬県内における児童相談所と併設される一時保護所の計画です。子どもの安心と安全を確保し、入所する子どもたちが穏やかに過ごすことができ、また管理する職員も、さりげない管理が行えるように、適度な距離感をとりつつ、お互いに緩やかな関係性を保つ空間づくり(半管理空間)を目指しました。プライバシー確保のため施設自体は外部から閉じられたつくりとなっていますが、閉鎖的にならないように太陽の光をどこからでも感じられるような中庭を配した建物形状としています。室内では木材を使った住まいらしさを感じられるような落ち着きのある空間をつくり、共用のラウンジでは隠れ家的な家形の家具が、子どもたちが自分の居場所を見つけ楽しみながら生活のできる空間としました。これらの設えが子どものいきいきとした生活と、こころの支えとなるような関係性を生み、大人と子どもの豊かなつながりをつくれる施設になることを願っています。