今回のホール改修工事は、空調・電気設備の改修・改善と同時に、天井の耐震化・老朽化した内装の全面的な更新を行ったものです。ホール内装では、創建当初のホール内装意匠のイメージを継承し、建物外観と調和を図ることを基本的な方針としました。創建当初の内装に関する設計図や設計関連の資料は現存せず、当時のホール内部写真も数が少ないため、指標とすべき内装意匠そのものの確認が困難となっていました。しかし、現地調査により昭和43年改修時の天井面や壁面の裏に、創建当初の金唐革紙壁面・照明器具・彫刻が施されたプロセニアムアーチ・石膏によりレリーフが施された化粧梁など、部分的に隠された状態で残されている事が確認されました。ホールの原型とも言えるこれらの内装各部や、群馬県庁・県内外の図書館に存在する関連資料、佐藤功一博士の設計された建物の内装意匠等を手掛かりに設計内容をまとめ、改修工事を行いました。
平成30年度第27回BELCA賞ロングライフ部門受賞