FOCUS
DISCUSSION品質への飽くなき追求と
未来への展望
クオリティマネジメント部
FOCUS
DISCUSSIONクオリティマネジメント部
小林 仁志
取締役執行役員・
建築設計部担当役員
富澤 秀人
クオリティマネジメント部
チーフマネージャー
蜂巣 誠
クオリティマネジメント部
サブチーフマネージャー
司会
まずは、QM 部が立ち上がった経緯から伺えますか?
小林
はい。実は 2020 年に設計プロセスを大きく変えてから 3 年ほど経った中で、設計部だけでは完全には対応しきれない部分が出てきたんです。その中の一つとして、石井設計グループとしての設計品質を保ち、維持管理していく部分に課題が浮上しまして。
富澤
確かに、設計部で品質の維持管理全てを担うには業務が多岐にわたりますし、どうしても部署内の「甘え」みたいなものも出てしまったり、スキルや知識、経験豊富な人材でないと品質チェックが難しいという意見もありましたよね。
蜂巣
そうですね。そこで、設計部から品質管理のところを一部切り離して、設計に関わる「アーキテクト」の領域と、品質に関わる「マネジメント」の領域をきちんと分けるべきだという話になったんです。
小林
これまでも設計部のサポート的な位置付けとして「品質管理室」はあったんですけど、「品質管理室」が運用してきた業務体制をさらに強化する目的で、「マネジメント」業務に専念する独立部署として「クオリティマネジメント部(以下、QM 部)」を立ち上げることになったんです。人員も増強して、設計品質に関わるチェックから、設計監理の工程計画やその管理・監視・指導までを行う体制を整えました。
富澤
私は、これまでの設計監理業務で培ってきた経験と実績、つまり「知のストック」を、分かりやすく、そして客観的に伝達可能な「形式知」としてまとめて、次の世代へ継承していく必要性を感じていました。QM 部は、そうした知識をさらにアップデートし、確かな品質で確かな価値を社会やクライアントに提供できる体制をより確実にするために生まれたんです。
蜂巣
まさにその通りで、さらなる設計品質の維持と向上には「継続的改善」が不可欠だと考えています。人材の育成、技術継承の促進、効果的な教育訓練、そして客観的な立場でのチェック体制を強化する上で、設計から品質管理の一部を切り離し、「アーキテクト」と「マネジメント」、それぞれの分野に専念できる体制を構築する必要があったんです。
司会
では、具体的に QM 部の皆さんはどのような業務をされているのでしょうか?
小林
主に、設計プロセスと監理プロセス、それから双方に共通する事項に分けて業務を行っています。設計プロセスでは、まず設計工程の計画と実行、進捗管理、予算管理、企画初期段階での設計条件の整理ですね。
富澤
そして、設計品質に重要な仕様や詳細、法令といった設計内容の技術的分野に関するレビューや、設計成果品についての第三者目線による最終チェックを行っています。
蜂巣
監理プロセスでは、工事監理としての工程内検査や現場内の工事確認を設計監理者と分担しながら行ったり、工事監理中や業務完了引渡時の書類や申請書類の確認なども行っています。共通事項としては、仕様書や基準図の作成・更新や、品質向上のための知識と技術の継承に関する計画策定とその実行などもありますね。
富澤
単に設計品質を維持管理するだけでなく、プロジェクト全体をマネジメントすることも含めて、設計監理の工程計画とその管理、監視、指導が、まさに QM 部の中核をなす業務となります。
司会
石井設計グループ全体にとって、QM 部はどのような役割を担い、どのような重要性があるのでしょうか?
小林
まずは、計画した工程や予算通りに設計が進められているかを管理すること。もし設計内容や工程に変更が生じた場合の修正対応も大切な役割です。そして、客観的な目線で設計品質のチェックを行うこと、これが一番重要です。
蜂巣
QM 部が、プロジェクト全体をマネジメントし、第三者的に設計監理全般に関わることは、「価値ある建築」を作り上げるための一貫したサービスをクライアントに提供する上で、極めて重要な役割りですよね。
小林
あとはリスク管理への対応です。設計ミスなどのリスクを未然に防ぐためにはどうするのかといった対策や、もし起きてしまった場合の対応、そしてその後の設計部へのフィードバックや再発防止まで、一連のプロセスを構築し、運用していくことが重要だと考えています。
富澤
それと中長期的には、私たちの経験を最大限に活かし、これからの確かな品質の建築を作り上げていくための「手法」のようなものを確立していくことですね。自然体で体質化された「ものづくり」が実行できるシステムを築き、クライアントの想いを実現し、社会に貢献できるサービスの提供を目指したいですね。
司会
設計部との連携は非常に重要だと思いますが、どのように協力し合っているのでしょうか?
蜂巣
QM 部は独立した部署として、設計部からの「甘え」をなくすことを意識しています。第三者的な立場で客観的にチェックすることで、時には厳しい指摘や指導も行っています。
小林
設計部から上がってきた設計レビュー資料を QM 部がチェックし、指摘事項を添えて設計部にフィードバックする流れなんですが、設計部は指摘内容を修正して QM 部から『合格』を貰わないと次工程に進めないんです。実際、結構厳しいチェックが入るので設計部としてはかなり大変なんですが、設計部はこの指摘内容をどうやって設計に反映していくか、そして QM 部はその指摘内容がきちんと反映されているかをチェックしていく、この繰り返しが連携の鍵ですね。
蜂巣
そうですね。私たち QM 部には知識や経験が豊富な人材が揃っているので、その視点からのチェックは設計部の皆さんにとっても、スキルを身に着けていく上で大きなメリットになっていると思います。
富澤
最終的にはクライアントの要望に応えるために、案件の関係者全員がクリエイティブに協業していくことが大切だと考えています。1つの案件を設計担当者の考えだけでなく、組織としてチェックすることで、クライアントの想いを設計担当者の技術で最高の形にして提供する。QM 部がその想いと技術の橋渡しになれたら嬉しいですね。
司会
今後の新たな取り組みや展望についてお聞かせいただけますか?
小林
QM 部からの指摘内容が埋もれてしまわないようなシステムを構築していきたいですね。それと、教育訓練や知識の継承にも力を入れていきたいと考えています。
蜂巣
同感です。特に人材育成において、年齢、経験年数、役職に応じた技術力アップの教育訓練は喫緊の課題だと感じています。
小林
ええ。教育訓練に関しては、技術とマネジメント、それから年齢や役職に応じたカリキュラムを構築していきたいですね。
富澤
建築に携わる技術者として、「品質トラブルに対する予知と予防」という新しい発想で「ものづくり」の原点に
立ち返って業務を遂行することで、設計品質をさらに向上させて、クライアントの満足度向上につなげていき
たいですね。
司会
最後に、社会において石井設計グループ、ひいては QM 部が求められる役割とはどのようなものだとお考えですか?
小林
県内では業界トップの立場として、常に最新の技術や手法にアンテナを張り、いち早く取り入れ、それを実行して成果を出していくことだと考えています。
富澤
求められる設計監理のサービスとして重要なのは、社会のストックとして長く使い続けることができて、使う人にとって愛着が持て、快適で安心できる「確かな品質の建築」を作り上げることです。石井設計グループは品質管理に基づいた新しいデザインの開発で、最適解となる新しい価値の創造を追求していきます。
蜂巣
私たちのビジョンとして掲げている「価値ある建築と都市を創造し、地域社会の人々に豊かさや楽しさのある生活環境を提供する」ことが重要です。建物やそれができる過程において、クライアントと社会ニーズを的確に把握し、石井設計グループの技術力を結集して価値ある提案と貢献を行うこと、そして QM 部は知識と経験に裏打ちされた専門家集団としてその活動を支えていくことが重要な役割だと考えています。