敷地形状とその場所性がこの建築の原点です。敷地は住宅街に沿った湾曲する通りに位置し、自然にアイストップ的な建物となります。用途はエクステリア・インテリア関係の店舗。中庭・イビサ地方のイメージ・内部と外部の連続、演出を発注者からもとめられました。独特な敷地形状を生かしそのまま建物の輪郭としました。異なる角度の軸線のぶつかり合いは、中庭を囲んで、平面形状に無規則なシークエンスをつくっています。内部と外部の呼応関係や、敷地・周辺環境を含めた建築のありかたを問い、周辺になじみながらも、同時にどこか断ち切れている、無関係のような、ひとひねりした建築をつくりだすため、開口の採り方とこの室内/外の「呼応関係」において、自分が立つ位置に応じて空間の距離感を変化させ、不思議な柔らかさをもった空間をつくり出しています。