地域に根ざした専門性の高い既存の病院に、今回の新病棟を増築するにあたり、時代のニーズに応えられ、かつ、将来の制度変化にも柔軟に対応可能な医療空間が求められました。ハードとしての建築をつくる上では、「おもてなしの心と、ホスピタリティを高めるための建築デザイン」という視点に着目し、快適性・機能性・経済性に配慮した新たなメディカルサービスビルディングを目指しました。より豊かな医療空間の実現のためには、治療を受けるだけでなく精神的にも癒される空間づくりはもちろんのこと、ここで働く人へのアメニティという考え方にも配慮し、相乗効果的にさらに良質な医療サービスが提供できうる病院となることを心掛けました。未来へとつづくエビデンス・ベイスド・デザインへの布石となり、より良質で生産性の高い医療空間の実現に繋がることを願っています。